WEBの漫画を考える

紙媒体の漫画と、今のWEBの漫画の違いは「好きでないことでもやる」か「好きなことをやる」か、だと自分は考えてます

前者は企画を作るとかする時にまずハリボテを作ってお金を集める。そして、「○○をやりたい人」を募る。実際は都合よく集まるべくもなく、絵のそこそこ描ける人に、○○を描かせる。割り当てられたその漫画家は実際は全然好きじゃないそれを「○○が好きです!頑張ります!」って言って頑張る。割りに合わない安い仕事料でも、キャリアプランに全くマッチしていなくても、仕事がないから受ける。

表面上嘘でも、実際消費者は気にしないし、楽しめれば良い。お金を集めた人も、作ってる人も嘘でも、あくまで消費者の前に出ている間だけ、嘘をつき切れれば問題はないし、それほどこれは難しいことでもない。

僕自身もそうやって作った作品がいくらかあることは白状します。

でも逆に、ソーシャルな時代にはこれは難しいことだと考えています。

読者との距離はとても近く、また、ソーシャルへ宣伝する活動もずっとこまめでなくてはならない。雑誌に乗ることやポスターは一度印刷されて流通に乗せればそれで視認される存在だけど、SNSはあっという間に流れていっていまう。嘘バレが怖くて黙っていたら存在しないのと同じ、だから喋る。声を出さないと何も伝わらない。人脈を作ろうとした時に「実は○○は好きじゃないんですよね」とも言えない。

「好きでもないもの」をやって嘘をつき続けられないと思うんですよね。メディアに出ている間だけ嘘を付いていれば良いというわけには行かない。

「好きでないものをやって生きていくことは、できない」のが今のソーシャルのメディアなんじゃないか、と考えていて、WEBネイティブの漫画を作るにあたって、まずそのことを念頭に置いてやろうと考えています

コミッション

コミッションをはじめてます

絵を有料で依頼して描いてもらうというサービスで、海外では結構行われているそうですが、日本ではちょこちょことした感じ

個人観賞用とかTRPGなどで使うイラストとかSNSアイコンとか、商業目的での依頼とは別枠ってところですかね。単純に見るだけじゃなくてVtuberさんなんかのガワとかも有りなんでしょう。色々と可能性が考えられると思います

今の所SKIMAメインで、最近サービス始まったskebも使うようにしようと思います。SKIMAはちゃんと打ち合わせしてリテイクもありきで制作、skebはガチャ感覚で依頼を投げる、と棲み分けになるんじゃないかと。Boothなんかでもコミッションは行われているようなので、こちらもおいおい準備したいと思います

SKIMA

今年入ってからのこと

今年の前半はほぼエンジニア仕事やっていました

脇で同人誌の原稿は続けていたけど、商業漫画とかはやってなかったわけです

4冊目の単行本はコアマガジンさんのところで出してもらえることになりました調子が良ければ成人向け漫画は続きはあるかもとのことですが、まだ成人向け漫画を見たいって方は買い支えてもらえれば続くのかもしれません

一方で、新規のベンチャー出版社で漫画を作ってて、成人向けで検索かかると困るそうなのでPN変えることになると思います

このご時世に出版を起業って考えると凄いことです

起業段階となると人数が少ない分だけ色々と直接見えることがたくさんあるわけなんですが、いかに出版社を立ち上げることが大変なのか、よくわかります

漫画を描いてるとよく出版社の権力が強すぎる、的な話が出るのですが、出版社が強い権力を持てるのは、作家の数が多すぎるからよりも、姿勢が弱腰だからとかよりも、対抗が立ち上がってこれないからなんですよね

大変は大変なんだけど、自分が今までずっと(主に編集者の振る舞いに)悶々としていたことのほとんど、溜飲が下がったって点もあって満足してるのも確かです

描いてる漫画は、このブログにたどり着いた人にはあまり関心のないものかもしれませんが、近いうちに情報は公開します

3冊目の単行本といま

回想録としてblog の記事を書き続けてきました

間近の内容はいろいろとオフレコにしなければならないこともあり、端折っている部分がおおくなります。申し訳ないのですがこればかりはまた、もっと時間が過ぎてから書くことにしたい

3冊目の単行本は大失敗でした

作った内容が、ではなく売り方がです

あの段階で僕にできたことは少なかったのですが、それでも買い手の人を優先して考えるなら、僕自身がすべきことは単行本を出すことを辞退して別の出版社に持っていくことだったのでしょう

一方では経路がWEBへ移る変化の中で漫画を続けていきたいと思えなくなっていたことがたくさんありました

違法コピーはいたちごっこで無くなりようもなさそうなこと

SNSでのブランド力や同人販売サイトの売上は統計をとるとハリボテのようなべき分布グラフを示しており、ハリボテの頂点に立っている極々一部とそうでない負け組に乖離していること(それを改善するメリットはIT企業側にないこと)

編集者の多くが余裕がなくなりすぎていること、それによるリスクがほぼ作家に飛んでくること

これだったら、一般の職につきながら好きな漫画を好きなようにゆっくり描いていれば良いと思うようにもなっていました

結局辰巳出版で4冊目の単行本が宙ぶらりんになったあと、就職活動してエンジニア職に復帰しました

配信とブログで漫画家としてはまだ確定ではないけど廃業する、と書いたのはそういうことです

4冊目の単行本はその後判然としないままになっていましたがコアマガジンさんのほうで出してもらえるという話になり、今に至ります

 

三鷹に移り住んで以降

川口のマンションを引き払って三鷹に移りすんだあと、あまり漫画は描かず、デジタル作画への移行と3Dの勉強に時間を費やしていました

実際のところは方向感をとても見失っていて、見た目上はそれなりに見える作画工程を構築はできたものの、良い方向に進んでいるという実感はありませんでした

三鷹に移って以降は交流会などに顔をだすようになり、人と合う機会をふやすようにしました。SNSや即売会でのつながりはどうしても薄い関係になりがちであり、自分の課題解決にはほとんどと言っていいほど足しにはなっていなかったからです

今でこそ、漫画家の交流会も増えてきていますが、まだその頃はIT屋の交流会はそれなりにあれど、こっち方面のものはほとんどなかったのですが、それでも機会を増やすことができました。その場で仕事を得ることもありましたし、悪い編集・悪い漫画家・悪いアシスタントの情報なんてのはソーシャルのTLに流すよりもこういった場でオフレコで交換をしているのだと知りました

ある交流会では、成人向けで活動しているぼくのことを怪訝な目で見る人もいたりして、成人向けで活動していることはこういった交流会で人脈を増やす上では不利だと感じるようになりました。一部の成人向けに寄っている交流会、とらのあなやDlsiteなんかは別として

twitterで一般向けアカウントを開設して以降はよりそれが顕著になっていきました。いずれ成人漫画で食えなくなる日もくるなら、こちらの繋がりも育てていかなければならない

この時期の自分は、ほとんど成人向け漫画づくりに関心をなくしていくようになっていました

当時の悩んでたこと

以前から即売会で手伝ってもらっていたFくんとこの時期に別れました

それ以前にもいろんな人に手伝ってもらったりはしていましたが比較して頻度の高かったのが彼です

彼に頼んでいたのは、お金と時間に関しては信頼がおけると判断したからでした

一方では、趣味が合うとは言いがたかったのも事実でした。自分はそのことを悪くは考えていませんでした。こちらの作品に無関心でいてくれる方が都合が良いと考えていたからです

しかしこの時期には、活動には熱意を共有できるようなパートナーが必要だと考えるようになっていました。僕の元に悪い虫がついた時、それを払えるような人でなければ、先がないと考えるようになっていました

過去には、アシスタントとして雇った人材が悪い虫で、仕事場を荒らされた経験が何度もあって、一人で活動することが常になっていました。人海戦術が基本の一般商業の世界であれば、監督のできる人と知り合う機会がありえたのでしょうが、同人界隈でそう言った人と繋がるのは難しかったのです。まして成人向けとなればなおさら

デジタル化が進んで一人で漫画作りができるようになるというメリットを享受していた一方で、デメリットが顕在化してきたとも感じていました

 

同時にもう一つの問題がありました

液タブが普及し、作業工程がフルデジタルに向かい、またスマホが普及してソーシャルが本格的に流行り始めていました

アナログの工程が残っている自分にとっては、ここからどうしたものか悩みどころでした。線画をデジタルにすれば、おそらく絵柄が変わってしまい、そしてこれまで見慣れていた人が離れてしまう可能性が高い。本格的に自分がデジタルに馴染むには時間もおそらくかなりかかる。

ソーシャル環境は流れが早く、パッと見で伝わりやすい絵にしなければならないし効率よくするようにしなければならない、鉛筆画は戦えないわけでもないけれどかなり分が悪い。

デジタルネイティブな絵を鍛えていかないといけない。加えて、3D技術の問題も課題とも考えていました

どれも一朝一夕ではない

一旦、自分は活動をかなり控えることにしました

朋枝編の執筆

憧れの女シリーズの続編として、朋枝を主人公にした新しい話を作る事にしました

情報系のヒロイン、言ってしまえばIT女子がガチのオタク(萌豚)と付き合うという設定にしていました

オタクものと言っても大抵の商業作品はライトなキャラクターとして描かれるのが当時の常で、まぁそうしないとキモい感じになって読みたくなくなるのを避けたいというのがあるのだろうと考えていました

なので僕としてはもう一回りいやらしく、手に負えない感じのキャラに設定したのでした

当時プログラミング熱を再発していた自分としてはこの設定は楽しく描いていました

前作のヒロインであるさおりがほとんど出ないような作りにしたため、出して欲しいという要望も何度かいただいたのですが、どうにも出番の作り用もなかったし、世界観を大事にしたかったので登場は控えるようにしました。また、ワカメヘアの前作の彼も(悪の主人公側)ギリギリのところで登場は踏みとどまりました

また、この辺りでオタク主人公のキャラクターたちが社会に出る一歩あたりでアレな目に遭う、というフォーマットができた時期でもありました

東方二次創作 戦国アリスの執筆

憧れの女 秘密の一週間のシリーズを一区切りした後、東方二次創作作品として「戦国アリス」と言うファンタジー少年漫画を描き始めました

この作品は軍記ものと集団バトル物と能力者バトルをごちゃ混ぜにしたような作品でワンピースやブリーチやナルトなどの集団バトル物を模した物でした

心のうちに、少年漫画的なものを今のうちに作りたいと思ったのだと思います

採算は度外視していました200P近い作品で構想から執筆まで1年近く時間がかかりました

印刷費そのものはペイできましたが執筆の工数まで考慮すると赤字でした

それでも、この作品作りに関しては悔いのないものでもありました

それまでずっとお世話になった東方のキャラクターに思いをぶつけるだけぶつけられたと言うところでしょうか

僕自身は最初に上京した時にはこんな少年漫画を描きたかったんだな、と思い返してもいました。巡り合わせが良ければ、どこかの出版社で編集者と一緒にこんな漫画を作っていたのかもしれないな、とも思いました

それが叶わなかった夢なのか、或いは一人で自由に、縛られることなくこんな漫画を作れたことが幸せと思うべきだったのか、わかりません

自分が墓に入るときは、この作品を一緒に入れて欲しいな、と思います