はじめての単行本のときのこと

はじめての単行本を出した時のことはだいぶ忘れているのですが、思い出しながら書いています
その時の編集さんはKさんという方で、成人向系の漫画編集には珍しく、研究熱心なタイプでした

水商売の人に聞くと、ほとんどは特に研修なんてものもなく、いきなり仕事場に放り込まれるそうです
何をやれば受けるかは自分なりに研究したり、AVやらなにやら見て模倣したりして学ぶ
手ぶらのまま適当にやって、人気の出ないまま業界を去る人も多いとか
成人向けの漫画も似たりよったりで、多くの人はそんな感じですし、ぼく自身も納得はしていました

成人向け表現には、そのための学術機関があるでもなく、権威のある人がいたりするわけでもない
正しい知見があるかどうか裏付けるもののない世界ですから、当然といえば当然か、と
一般漫画なら文学部出身の人とか、イラストレーションなら美大出身の人とかが、学歴とか学識として役に立つ
と考えられうるのでしょうが、エロにはそういうのはない

それでも、研究熱心にしてるということは、雰囲気づくりには良い影響があったのではないか、と感じてはいました
Kさんはどちらかというと「やんちゃ」な漫画家を好んでいるようで、ぼくは長い付き合いにはならないだろうな、
と当時考えていました
雑誌の中では、割と前のほうに推されてる感じで、掲載は悪くなさそうでした

残念なことに、単行本を出す冬の時期に、体調がひどく悪くなり、戻らなくなりました
冬の始まりのころに風邪を引くと、その後、春先まで席が止まらなくなるのです
医者に行っても、原因がわからないままでした
これはその3年後に川口にある耳鼻科の先生のところで治してもらうことができました
冬場に発症するアレルギー性鼻炎、とのことでした
春先に収束していたのは花粉症対策の抗アレルギー薬が効いていたためなのだとわかりました

単行本自体は冬に出て、知り合いの評判は良さそうでした
赤字ということはなかったと思いますが、増刷はかからなかったようです

当時は病気の原因がわからないままで、無理をしすぎてたツケが回ってきたのかもしれないので
無理をしないよう、体調を守るようにしなければ、と考えるようになっていました